特別なゲストだけが入場できるエリアに潜入 英国の夏の風物詩 テムズ川のボートレース「ヘンリー・ロイヤル・レガッタ」(中編)

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

7月は、英国の夏の風物詩 テムズ川のボートレース「ヘンリー・ロイヤル・レガッタ」について。

英国バッキンガムシャー州在住で英国政府公認ブルーバッチ観光ガイドの木島・タイヴァース・由美子さんにお話しいただきます。


それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!


ゴールに一番近いところにあるスチュワーズ・エンクロージャーは、最もエリートな地域です。
ヘンリー・レガッタの会員、及びそのゲストのみが入場できます。
メンバーになるためのウェイティングリストは現在5~8年待ちと言うことですが、ヘンリー・レガッタの競技に出た人や、レガッタに特別なコネクションのある人は優先されるとか。

写真:ゴールのすぐ手前にあるスチュワーズ・エンクロ―ジャー。

スチュワーズ・エンクロ―ジャーには厳しい決まりがあります。ドレスコードも決められていますし、食べ物を持ち込むことや携帯電話の通話は禁止されています。ここで、「振る舞いの見回り」をするロジャー・チャップマン氏にお話を伺ってみました。


木島:ここではどういうお仕事をされているのですか?
チャップマン氏:お酒を飲み過ぎたり、振る舞いに問題がある人を取り締まるのが私の仕事です。

木島:実際にそのような人もいるのですね。
チャップマン氏:いいえ、それは本当に珍しいケースです。一番多いのが携帯電話の使用です。

木島:なぜ山高帽子をかぶっていらっしゃるのですか?
チャップマン氏:オックスフォード大学の見回り警官が山高帽子をかぶっていたのです。私たちの仕事も同じような仕事ですから、帽子も同じにと言う訳です。私たちが「ブルドッグ」と呼ばれるのも、オックスフォード大学の見回り警官から来ているんですよ。(注:2003年まで、オックスフォード大学で学生の行いの見回りをする大学の警察のような職があり、彼らが「ブルドッグ」と呼ばれていた。)

木島:ここには毎年いらっしゃるのですか?
チャップマン氏:そうです。私はヘンリー・ロイヤル・レガッタとロイヤル・アスコット(毎年6月に開催される、英国王室が主催する競馬の祭典)の両方を受け持っています。
仕事を楽しんでいます。貴方もどうですか?
(ここでブルドッグにスカウトされるとは思ってもいませんでした!)

写真:ロジャー・チャップマン氏

木島:このスチュワーズ・エンクロ―ジャーはドレスコードがとても厳しいと聞きました。
例えば女性のスカートが膝より上の長さの場合は、入り口で入場を拒否するのですか?メンバーのゲストでも?
チャップマン氏:もちろんです。メンバーは規則を知っていなければいけません。ゲストを招待する時は、その決まりを伝えなければいけないのです。
ほとんどのメンバーは守っていますので、入り口で断るケースは稀です。

木島:スカートの丈が短いだけで観戦ができないのですか?
チャップマン氏:そうです。でもちゃんと解決法は見つかります。
その方たちには町に出てスカート、またはドレスを買っていただきます。
先日はパシミーナを腰に巻いて入場した方もいらっしゃいました。
これはグッド・アイデアだと思います。男性はジャケットとタイは必須です。

木島:男性はジャケットとタイの着用が義務付けられているようですが、暑い日はどうするのでしょう?
チャップマン氏:例外はあります。以前、気温が32度になった時には、「ジェントルマンはジャケットを脱ぐことを許可します。」とスピーカーでアナウンスがありました。
でもその後で「ただし、お連れの女性の許可が必要です。」と付け加えられたのですよ。

木島:夫婦喧嘩をしたとき、奥様は「No」と言えばいいんですね(笑)。良いことをお聞きしました。
チャップマン氏:だから男性は女性に優しくしなければいけないのですよ。(笑)
写真:グランド・チャレンジ・カップ

スチュワーズ・エンクロージャーには、それぞれのカテゴリーで優勝したチーム、または個人に贈られるカップがディスプレイされています。
ここにディスプレイされているカップは26個。
この中でも特別なカップはグランド・チャレンジ・カップで、8人チームの競技で優勝したチームに贈られます。
今年はオックスフォード・ブルックス大学とリアンダー・クラブ合同チームが優勝しました。
見事にディスプレイされているカップの管理人は「カストディアン オブ シルバー」と呼ばれます。
写真:「カストディアン オブ シルバー」のサイモン・カーター氏はカップに関しての知識人。

北アイルランドからいらっしゃったキャンベルご夫妻は、初めてヘンリー・ロイヤル・レガッタを訪れたとのこと。
写真:キャンベル夫妻

木島:ここは会員のみのエンクロージャーですが、会員になるには5年~8年待ちと聞きましたが、会員になられたのですか?
キャンベル夫妻:いや、友人がメンバーで、私たちの結婚40周年のお祝いに招待してくれたのですよ。

木島:それはラッキーでしたね。いかがですか?楽しんでいらっしゃいますか?
キャンべル夫妻:いやー、想像していたより素晴らしい! 
なんて英国的なイベントなんだろう!最高に楽しんでいます。
後編へ続く…

二つのエンクロ―ジャー(「レガッタ・エンクロ―ジャー」と「スチュワーズ・エンクロ―ジャー」)の先、ゴールとは反対側にしばらく歩くと川辺が芝生になっている地域があります。
ここからは無料。大勢の人がピクニックをしています。

次回は、そのピクニックエリアの様子をお届けいたします。

お楽しみに!

※記事に掲載されたイベント情報や商品は、売り切れ・変更・終了する場合がございます。
※売り切れの節は、ご容赦ください。
※表示価格は、消費税を含んだ税込価格です。