英国のティータイム

#英国ライフ・6月のピックアップティー【ドゥルーリー(The Drury Tea & Coffee Co.)】

自分時間を大切にする英国の日常。その中心にはいつも紅茶があります。

一杯の紅茶から生まれる豊かな時間を、毎月英国の紅茶ブランドをピックアップしてお届けする【英国のティータイム】。


6月は、1936年創業のロンドンの紅茶メーカー「ドゥルーリー(The Drury Tea & Coffee Co.)」についてお届けします。


今回、お話をしてくださったのは、マルコ・オルミ(Marco Olmi)さん。

彼はドゥルーリーの創立者であるアントニオ・オルミ(Antonio Olmi)さんの孫で、1988年よりドゥルーリーに携わっています。

現在はドゥルーリー社の社長をしており、総勢40名を指揮しています。

写真:マルコ・オルミ(Marco Olmi)さん



Q:「ドゥルーリー(The Drury Tea & Coffee Co.)」の成り立ちを教えてください。

オルミさん:1936年にイタリア系のオルミ3兄弟が「オルミブラザーズティー(Olmi Brothers Tea)」という紅茶会社を立ち上げたことから始まりました。

その3兄弟のうちの1人が、私の祖父にあたるアントニオ・オルミです。

ロンドンのウィンドミル・シアターの向かいで紅茶のブレンドと包装を始めたのが最初で、後にコーヒーのローストも開始。

1946年には、本社があったドゥルーリー通り(Drury Lane)にちなんで、会社名を「The Drury Tea & Coffee Co.」に変更しました。


現在は、テムズ川沿いにあるロンドンの歴史的地区「ウーリッジ(Woolwich」」の「ロイヤル・アーセナル(Royal Arsenal)」(※かつて王立兵器工場があった場所)に本社及び工場があり、紅茶やコーヒーの製造に注力しています。

製造技術を近代化し、ルースリーフティー(リーフティー)の製造だけでなく、高品質で便利なピラミッド型のティーバッグも製造しています。


写真:1953年当時のドゥルーリーの本社・工場


写真:現在の本社兼、工場の外観。


Q:ドゥルーリーの紅茶の特長を教えてください。

オルミさん:ドゥルーリーの紅茶のラインアップはとても充実しています。

100種類にもわたるリーフティーだけでなく、35種類のピラミッド型ティーバッグの商品も揃えています。

英国内で最も人気があるのは、ブリティッシュ・ブレックファスト・ブレンド(British Breakfast Blend)で、力強くて香りが豊かです。

英国の伝統的な一杯!とも言えるでしょう。


他のタイプのブレックファスト(朝食時にぴったりな紅茶のブレンド)もあります。

軽めの「ブレックファストB.O.P.(Breakfast B.O.P.)」から、しっかりした味わいの「ロンドン・ブレックファスト(London Breakfast)」まで!

もちろん、デカフェの(カフェインを取り除いた)ブレックファスト(Decaffeinated Breakfast)もご用意しております!

アールグレイもとても人気のある紅茶で、リーフティーやピラミッド型ティーバッグなど様々な形状のものを製造しています。



写真:ドゥルーリーのティーポット。

写真:リーフティーやピラミッド型ティーバッグなど、ドゥルーリーの豊かな伝統と歴史が詰まった様々なタイプの紅茶を製造している。


Q:ドゥルーリーのティーブレンダーをご紹介いただけますか?

オルミさん:彼はドゥルーリーのエキスパート、アルバート=オポク・フリンボンです。


写真:ティーブレンダーのリーダー、アルバート=オポク・フリンボンさん。


オルミさん:アルバートが率いるチームは、常に世界中の茶畑から、最上の茶葉を探し出しています。

お客様にいつでも最高のお茶を楽しんでいただくため、価格よりも品質重視で茶葉を探しています。

写真:ピラミッド型のティーバッグを機械にセットして、リーフティーをティーバッグに詰めている、アシスタントのルドルフ・ベネットさん。

Q:そんなこだわりの詰まったドゥルーリーの紅茶ですが、現在はどこで楽しむことができるのですか?

英国内に常設の店舗があるのでしょうか?

オルミさん:以前はあったのですが、コロナ禍の影響で閉店してしまいました。残念ながら直営の常設店舗は現在はありません。

ですが、「ザ・メリルボーン・ホテル (The Marylebone Hotel)」「ザ・ブルームズベリー・ホテル(The Bloomsbury Hotel)」「ザ・ケンジントン・ホテル(The Kensington Hotel)」等の各ホテルや、英国各地のクラブ、カフェなどでもドゥルーリーの紅茶を扱っていただいているところはございます。

日本では、#英国ライフさんのオンラインストアで数種類販売してもらっている他、英国フェアでは多くの日本のお客様にドゥルーリーの紅茶を知ってもらえる機会なので嬉しいです。


Q:#英国ライフのオンラインストアでは、現在5種類の紅茶(「デカフェ・アールグレイ」、「デカフェ・ブレックファスト」、「アッサム F.O.P.」、「ユンナン F.O.P.」、「インディアン・スパイス・チャイ」)を取り扱っておりますが、それぞれどんな食べ物と合わせるのがおすすめでしょうか?

オルミさん:私の個人的なおすすめですが、

「デカフェ・アールグレイ」には、レモンドリズルケーキやエビとクリームチーズのサンドイッチ。

「デカフェ・ブレックファスト」には、ヴィクトリアケーキやきゅうりとディルのサンドイッチ。

「アッサム F.O.P.」には、フルイングリッシュブレックファスト(パンやソーセージ、ベーコン、卵料理といった英国定番の朝食メニュー)や、麦芽エキス入りのフルーツケーキ。

「ユンナン F.O.P.」には、スモークサーモンのサンドイッチ、やチョコレートチップクッキー。

「インディアン・スパイス・チャイ」には、ミルクチョコレートやシナモンケーキを合わせるのがそれぞれおすすめです。日本では手に入りにくいものもあるかもしれませんが、機会があればぜひ試してみてください。

写真:1962年に展示会「ホテリンピア(HOTELYMPIA)」に出展した際のドゥーリ―の様子


Q:近年、日本では「ヌン活」という言葉が流行るなど、アフタヌーンティーがブームです。アフタヌーンティーにまつわるエピソードやおすすめの楽しみ方はありますか?

オルミさん:正式な英国式アフタヌーンティーを体験していただくのであれば、少し軽めのお茶をおすすめしたいと思います。

個人的な好みを申し上げれば、ドゥルーリーの「ブレックファストB.O.P.」、「インペリアル・アールグレイ」、高品質な「ダージリン」。

もしくはスモーキーではありますが、「ラプサン・スーチョン(Lapsang Souchong)」などがおすすめでしょうか。


お食事のセレクションとしては、小さめのフィンガーサンドイッチは必須ですね。

美味しいハムやスモークサーモン。そして最近はベジタリアン向けにも、いろいろな種類が出ています。


写真:小ぶりのケーキやスコーンとともに、ドゥルーリーの紅茶でアフタヌーンティーを楽しんで。


オルミさん:もちろんスコーンには、ブリティッシュ・クロテッド・クリームと、最高級のジャムを載せるのをお忘れなく♪


※本文中でご紹介している紅茶は、一部の種類のみ#英国ライフのオンラインストアで販売しております。


【紅茶インストラクター砂川純子先生のおすすめ】


紅茶インストラクターの砂川純子です。

「ドゥルーリー」には、個性的なものや濃いめのもの、そして軽めのものまで、シーンごとに選べる約100種類にもおよぶ紅茶のラインナップがあります。
今回はその中より、2種類の紅茶をご紹介いたします。

◆「ユンナン F.O.P.」

あまり聞かない珍しい中国産の茶葉の紅茶です。

 「F.O.P.」とは、新芽の一番上の葉を意味します。この葉だけを摘むのは非常に手間が掛かるため、高額になると言われています。

中国紅茶と言えば、「キームン」や「ラプサンスーチョン」が有名ですが、こちらは味わい的にそのちょうど中間。深みのあるスモーキーさは、中国紅茶好きの方にも気に入っていただけるのではないでしょうか。ビターチョコレートやスモークサーモンなどに合わせていただくのもおすすめです。


◆「デカフェ・アールグレイ」

ベルガモットの香りが優しめなので、強い香りが苦手な方にも一度お試しいただきたい紅茶です。茶葉はルワンダ産で、苦みや渋みは少な目ですが、しっかりとした茶葉の味わいを感じることができ、スイーツなどにもよく合いそうです。

デカフェ(カフェインレス)なのでカフェインを気にされている方や、お休みになる前のリラックスタイムにもおすすめです。


それぞれの紅茶ごとに特長があるので、生活の中でシーンごとに種類を変えて飲んでみるのも楽しいですね。

どうぞ素敵なティータイムをお過ごしください。


〈砂川純子プロフィール紹介〉

元ANAのキャビンアテンダントで現在は紅茶インストラクターとして活動。

英国領事館や日英協会関連イベント、百貨店などのセミナー講師、また学校でマナー講演など積極的におこなう。



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