英国王室主催の伝統ある競馬レース「ロイヤルアスコット」(後編)

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

今回は、英国王室主催の伝統ある競馬レース「ロイヤルアスコット」について。

〈前回の記事【英国王室主催の伝統ある競馬レース「ロイヤルアスコット」(前編)】はこちら〉

ロンドン在住のKawasakiさんにお話しいただきます。

正装としての「帽子」文化が今も生き続けている英国。そして、その文化を支えていると言っても過言ではないのが、毎年6月の第3週に開催される「ロイヤルアスコット」です。(ちょうど夏至も過ぎ、英国が1年で最も暑く太陽が輝く時期です。)

ロンドン市内から車で1時間ほどのアスコット競馬場には、5日間に渡って正装に身を包み、色とりどりのドレスと帽子に身を包んだ紳士淑女が集まります。


男性の正装は燕尾服にシルクハットですが、女性はそれぞれ思い思いの着こなしを披露するので、さながらランウェイのよう。ファッションの面からも注目が集まるイベントです。

会場で帽子が印象的だった方達にお声がけして写真を撮らせて頂きました。どの帽子も立体的で、高さがあります。日本人が持つ帽子のイメージを軽々と超えていきますね!


「帽子の祭典」とも言われる「ロイヤルアスコット」は、ドレスコードを順守する場所でもあります。

チケットによって入場できるエリアが異なり、エリア毎にドレスコードも異なります。

「ロイヤル・エンクロージャー」「クイーン・アン・エンクロージャー」「ヴィレッジ・エンクロージャー」「ウィンザー・エンクロージャー」と4つのエリアに分かれているのですが、例えば誰でもチケットを購入できる「ウィンザー・エンクロージャー」は帽子を被っていなくても入場は可能。くだけた雰囲気で、おめかししてピクニック気分を味わう事が出来ます。

一方、国王陛下のご招待という扱いになる「ロイヤル・エンクロージャー」のドレスコードは厳格です。帽子は直径が10cm以上必要で、カチューシャのようなヘッドピースは不可。スカートの丈は膝丈より長く、ドレスの肩紐は3cm弱の必要があります。ロイヤルファミリーに倣って、肩や胸周りの露出は控えめにする必要があるのです。

下の写真は「ロイヤル・エンクロージャー」の方達ですが、みなさんルールを守りながら、思い思いの着こなしを楽しんでいらっしゃいますよ。

「ロイヤルアスコット」に参加するには、本気で何を着て行くのかを考える必要があるので、お買い物は必須です!(嬉しい悲鳴・・・!)

アスコットの時期、ロンドン市内のデパートには特設の帽子売場が展開され賑わいます。売られているのは1万円以下で買えるものから、10万円を下らない有名な帽子工房のものまで。まずはドレスを選び、それに合う帽子を選ぶ、あるいは特別にオーダーするというのが、アスコットに参加する女性たちの楽しみです。


写真:ロンドン市内のデパート/アスコット用帽子売場

今回私は、「ロイヤル・エンクロージャー」にご招待いただきましたが、準備はなかなか大変!普段は正装をする機会がないので手持ちのドレスもなく、もちろん帽子もないので、鞄以外はすべて買い集める事にしました。

まず、手始めに帽子屋さんに行き、どんなデザインがありそうかを確認。それから、厳しいドレスコードに合うドレスをインターネットで探しに探して、実際に店舗で試着。英国は、日本よりも華やかなドレスが店頭に並んでいる方だと思いますが、案外初夏の時期に売られているドレスは露出度が高いので、探し出すのはなかなか苦戦しました。(毎年参加する方達は、きっと良さそうなドレスを見つけると買い揃えておくのだろうな、と想像。)


写真:ロイヤルアスコットのシーズンには、こんな風にアスコットを意識したディスプレイも見かけるようになります。


ドレスが決まったら、帽子屋さんにドレスを持参してどんな帽子にするのかを相談します。生地の色やモチーフに合わせて、お店の方がアイデアを出してくれるので、ディスカッションをしながらデザインを決定。2週間ほどでオーダーメイドの帽子を仕上げてくれます。帽子屋さんにとっても、アスコットの時期が1年で1番忙しいそうです。


帽子を選ぶポイントは、やはり色合わせです。同色で揃えるか、ドレスの柄にある色を帽子に持ってくるか、色々と方法はありますが、私がお願いした帽子屋さんでは、帽子もドレスと同じ紺色に揃えた上で、水玉の柄に合わせてパールの大小のビーズをチュールに散りばめ、更に華やかさを出すためにシルバーの星形のスパンコール大小を散らしてくれました。

こんなに本気でドレスアップする事に時間とエネルギーを注いだのは本当に初めてのこと…大変でしたが、おもしろい経験でした。当日、会場の方達にも「素敵な帽子ね〜」なんて声をかけてもらって、頑張った甲斐があったかなと思います。


 写真:ドレスアップして集まったからには記念撮影も抜かりなく!


最後に、もしこれからアスコットに参加する方がいらしたら、一つアドバイスがあります。

靴は出来るだけ歩きやすいものがオススメです!会場はコンクリートの地面もあれば芝生もあるので、細長いヒールが土に刺さり、1日中歩き回ると足が痛くなります。(1日で1万歩は歩いていました!)常連らしき方や取材をしているキャスターは、ウェッジソールのヒールサンダルを履いていらっしゃいました。美しさと歩きやすさのバランスがポイントです。


青空のもと、美しく装った姿をお互いに褒め称えながら、シャンパンを片手に(?)美しい馬たちを愛でる「ロイヤルアスコット」。文化として何百年もこうした夏の風物詩が続いている英国、やっぱり素敵ですね。


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