英国のティータイム

#英国ライフ・11月のピックアップティー【ピコ・ティー・エディンバラ(Pekoe Tea Edinburgh)】

自分時間を大切にする英国の日常。その中心にはいつも紅茶があります。

一杯の紅茶から生まれる豊かな時間を、毎月英国の紅茶ブランドをピックアップしてお届けする【英国のティータイム】。


11月は「ピコ・ティー・エディンバラ(Pekoe Tea Edinburgh)」についてお届けします。

今回、お話をしてくださったのは、ピコ・ティー・エディンバラのファウンダー・共同経営者であるジョン・クーパー(Jon Cooper)さんです。


Q:「ピコ・ティー・エディンバラ」の成り立ちを教えてください。


ジョンさん:私はグラスゴー大学で電子工学を学びました。

学生時代は大学の近くにある地元のティーハウスで一息つくのが習慣でした。そこで初めて世界中のさまざまなお茶に出合いました。それはそれは魅力的だったので、もっと詳しく知りたいと思いました。

妻のエスターは、ファッションモデルを経て、テキスタイルやデザインの分野に従事していました。「ピコ・ティー・エディンバラ」のコーポレイトイメージやパッケージデザインは、すべて彼女によるものです。

写真:左からエスターさんとジョンさん

ジョンさん:エディンバラでティーバー (tea bar) を経営したのち、2008年に「ピコ・ティー・エディンバラ」を設立しました。

まずは屋外マーケットに出店し、その後2010年にリーヴン通りに店舗をオープンしました。2018年には、ブレンドをおこなうファクトリーをリース地区に設け、フレーバーティーはすべてそこでゼロから作っています。

そして何度も実験を繰り返し、本物のウィスキーをブレンドに加える方法を見つけました。こうしてできたのが「ピコ・ティー・エディンバラ」のウィスキーティーです。

ちなみにファクトリーは自分たちで作りました。大学で学んだ電子工学の知識が役立ったんですよ。


写真:「ピコ・ティー・エディンバラ」の店舗

Q:「ピコ・ティー・エディンバラ」の紅茶の特長を教えてください。

ジョンさん:スコットランドの紅茶店として、特にスコットランドのシングルモルトウィスキーを使用したウィスキーティーコレクションにはこだわりがあります。

「アイラ」「スペイサイド」「キャンベルタウン」「ハイランド」「ローランド」の5つの地域にフォーカスし、実際にその地域のウィスキーが原材料のうち5~6%を占めています。

ブレンドの内容もそれぞれ工夫して、各地域のウィスキーの特長を表現しています。

例えばスモーキーでピート(泥炭)香がするアイラウィスキーのお茶は、燻した紅茶をスターアニス(八角)と一緒にブレンドしています。

スペイサイドウィスキーのお茶は、ドライストロベリーとドライアップルをブレンドし、フルーティーで華やかな香りが特長です。

いずれも、化学香料を用いていませんので、天然のウィスキーの豊潤な香りと味わいをお楽しみいただけます。

具体的な製法は明かせませんが、アルコール分は飛んでいるので車の運転をされる方もご安心ください。

エディンバラにある、有名な「スコッチウィスキー・エクスペリエンス」(ウィスキー博物館)のミュージアムショップにも「ピコ・ティー・エディンバラ」のウィスキーティーを、パッケージを変えて卸しています。


写真:ウィスキー博物館で販売されているウィスキーティー

ジョンさん:また、私たちは紅茶だけでなく、白茶、緑茶、ハーバルティーなども扱う総合的なティーショップです。

紅茶、台湾烏龍茶、レモンヴァーベナなどをブレンドした「ダッチェス・グレイ」もおすすめですし、台湾烏龍茶とオレンジペタルとキャラメルをあわせた「オレンジブラッサム・ウーロン」は烏龍茶のイメージが一変するほどです。

もちろん、「ブルーレディ」のようにお花をふんだんにブレンドした紅茶もとても人気がありますね。

ブレンドティー以外では、CTC製法とオーソドックス製法のアッサムを用いた「ブレックファストブレンド」や、「ラプサンスーチョン」もぜひ召し上がっていただきたいです。すっきりして雑味がありません。


Q:「ピコ・ティー・エディンバラ」ではどのように紅茶が作られているのでしょうか?

ジョンさん:ブレンディングをしているファクトリーがあるのは、店舗から少し離れた場所、リース港に近いエリアです。

私たちが信頼している生産者から仕入れた茶葉はこのファクトリーに集められ、製品化されます。お茶のブレンディングの仕方は独学で習得しました。幾多ものトライアルとエラーを重ねています。私も妻のエスターもブレンドを手掛けます。

ウィスキーティーはエスターが完成させました。まずウィスキーの香りを特定し、ベースとなる紅茶にウィスキーから感じられるフレーバーを加えたのちに、ウイスキーそのものと少しフレーバーオイルを加えます。

まずは店舗であるティースタジオでブレンドのプロトタイプを作ってから、最終的なレシピをファクトリーに渡してより多くの量を製造しています。

ブレンディングの責任者はヴェロニカで、4年前からピコ・ティー・エディンバラのチームにいます。


写真:ファクトリーがあるリース港エリアの街並み


写真:左)ピラミッド型ティーバッグの製造機械  右)仕入れられた紅茶


写真:左)ファクトリーの様子 右)ブレンディングの責任者のヴェロニカさん

Q:そんなこだわりが詰まった「ピコ・ティー・エディンバラ」の紅茶ですが、現在はどこで楽しむことができるのでしょうか?英国内に常設の店舗はありますか?

ジョンさん:エディンバラ市内のもともと駅舎だった建物に店舗を構えています。天井が高く窓が大きい、とても開放感のあるティースタジオです。

2021年にリーヴン・ストリートからこのリース・ウォークに移りました。

ここでは、私たちのお茶を販売し、ご希望に応じてテイスティングもご提供しています。

写真:店舗内の様子と、スコットランド産の紅茶「キネトルズ・ゴールド」を淹れてくれるジョンさん

ジョンさん:店舗のほかに、スコットランドでも指折りの権威ある場所でピコ・ティー・エディンバラの紅茶が採用されていますからご紹介しましょう。

例えば、

・ウォルドルフ・アストリア・エディンバラ - ザ・カレドニアン(エディンバラのプリンセス・ストリートに面した5ッ星ホテル)

・フィンガル(エディンバラのリース港に停泊する5ッ星ホテル)

・ロイヤルヨット・ブリタニア号(1953年から97年の44年間にわたって英国王室の船として世界中を航海し、現在はリース港に接岸され一般公開されている。)

・マッキントッシュ・アット・ザ・ウィロー (著名な建築家チャールズ・レニー・マッキントッシュが設計したティールーム。またここでは、「1903 blend」という、特別につくられたブレンドもあり。)

・オールド・コース・ホテル(スコットランドを代表する最高級ホテル。)

・キャメロン・ハウス・ホテル (スコットランド中部、ローモンド湖畔にある、マナーハウス(貴族の館)を用いた広大でラグジュアリーな5ッ星ホテル)

・グレンイーグルス・タウンハウス(エディンバラの「セント・アンドリュー・スクエア」に建つタウンハウスを改装したホテル)

などです。


Q:日本で手に入る「ピコ・ティー・エディンバラ」の紅茶の中で、おすすめはありますか?

ジョンさん:「#英国ライフ」のオンラインストアで取扱っていただいている商品は5種類ほどありますが、やはり今の季節皆さまにお届けしたいのは「クリスマスブレンド」です。

ブラックティーにアップル、シナモン、クローブ、オレンジ、オレンジピール、ピンクペッパーなどをブレンドしたもので、スパイスが強すぎずバランスがとれています。クリスマスにふさわしい、温かく寛容な気持ちをもたらす紅茶です。



Q:近年、日本では「ヌン活」という言葉が流行るなど、アフタヌーンティーがブームですが、アフタヌーンティーにまつわるエピソードやおすすめの楽しみ方はありますか?

ジョンさん:エディンバラのリース港には、「フィンガル」という5ツ星ホテルが停泊しています。大きな船がホテルになっているのです。

そのフィンガルでは「ピコ・ティー・エディンバラ」の紅茶が採用されていて、宿泊者でなくてもティールームを利用し、アフタヌーンティーを楽しむことができます。アフタヌーンティーでは、たくさんの種類の「ピコ・ティー・エディンバラ」の紅茶をお楽しみいただくことができますが、「フィンガルブレンド」という、特別なお茶もあるんですよ。

エディンバラにお越しの際は、ぜひリースのフィンガルまで足を延ばしてください。もちろん、「ピコ・ティー・エディンバラ」店舗へのご来店もお待ちしております。


写真:左)エディンバラのリース港に停泊する5ッ星ホテル「フィンガル」  中・右)「フィンガル」で提供されているアフタヌーンティー


写真:「ピコ・ティー・エディンバラ」の紅茶


※本文中でご紹介している紅茶は、一部の種類のみ#英国ライフのオンラインストアで販売しております。



【紅茶インストラクター砂川純子先生のおすすめ】

紅茶インストラクターの砂川純子です。

今回は「ピコ・ティー・エディンバラ」の中から私のおすすめを3つご紹介いたします。

「ピコ・ティー・エディンバラ」の特長は、なんと言ってもスコッチウィスキーが製造されているスコットランドならではのウィスキーフレーバーの紅茶。

各産地の特長を紅茶で表しており、実際にウィスキーを使って香り付けをしています。

■ウィスキーティー「スペイサイド」

グレンマレイ蒸留所の15年熟成のウィスキーで香り付けられた紅茶は、ウィスキーが優しく香りフルーツの香りも加わります。なんとも言えない香りの高さとフルーティーさが心地よく、ウィスキーが苦手な方でも美味しく楽しめる紅茶です。サンドイッチやフルーツケーキ、チョコレートなどが合いそうです。

■ウィスキーティー「アイラ」

ウィスキー好きの方も納得のスモーキーさとピートの香りの紅茶です。香り付けにアイラ(スコットランド内の地名)のウィスキーも使っています。この大人の香りのスモーキーさにはお肉料理やスモークサーモン、英国の伝統料理のミートパイなどがよく合います。


ウィスキーティー以外にもおすすめの紅茶があります。

■ブレックファストブレンド

英国と言えばブレックファスト。こちらは香り付けはしていません。アッサムブレンドで、重厚感よりもすっきりとした中に奥行きと引き締まった感があります。スコーンやケーキ、食事にと、どんな食べ物でもよく合います。ひと口ごとに、お口の中をリセットしてくれるので次の食べ物が美味しく感じますよ。


「ピコ・ティー・エディンバラ」の紅茶は、香り付けをしているものは封を開けるとどれもふわりと良い香りがします。香りを楽しむのも紅茶の素敵なところですね。

自分のお好みの一杯を見つけて、素敵なティータイムをお過ごしください。

〈砂川純子プロフィール紹介〉

元ANAのキャビンアテンダントで現在は紅茶インストラクターとして活動。

英国領事館や日英協会関連イベント、百貨店などのセミナー講師、また学校でマナー講演など積極的におこなう。

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