英国の「ヴィーガン」事情

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

3月は、英国の「ヴィーガン」事情について。

英国バッキンガムシャー州在住で英国政府公認ブルーバッチ観光ガイドの木島・タイヴァース・由美子さんにお話いただきます。

それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!


英国では人口の1~3%(複数の組織による調査結果があり、数値に幅がある)が「ヴィーガン」であると言われています。

肉や魚は摂らないが、卵や蜂蜜、乳製品は摂取する「ベジタリアン」に対して、「ヴィーガン」は動物由来のものは一切摂取しない、という人たちです。

なぜヴィーガンになるのか?それには大きく三つの理由が挙げられます。

「地球環境」「動物愛護」そして「健康」です。


市場調査会社「ミンテル」の発表によると、これまでヴィーガンの新製品が最も多く販売されていたドイツを抜き、2018年には英国がトップになった、とのこと。(Mintel Global New Products Database)

同じくミンテルによると、2014年から5年間で、ミート・フリー(代替肉を使用するなど、肉を使わない食品)の販売が40%上昇したという驚くべき数字が出ています。

そして更に2019年の調査では、英国の食料品の新製品のうち16%が、「ヴィーガン」または「動物に由来しない」などの表示があることが分かっています。

つまり、英国では肉を使わない食料品に国民の関心が集まっているのです。

実際、スーパーマーケットでは植物をベースにした食品のコーナーがどんどん広がっており、チーズ、ハムなどの代替品のブランドや新製品が増えています。


写真左:スーパーマーケットのヴィーガンとベジタリアン用のコーナー。「ミート・フリー」とは、肉を使用しない食品のこと。

写真右:スーパーマーケットの冷蔵庫。植物をベースとした食品が増えている。


写真上:冷凍食品専門の老舗「アイスランド」の冷凍庫に並べられた、独自ブランドのヴィーガン食。

写真左下:大手スーパーマーケットの冷凍庫のヴィーガンコーナー。

写真右下:ヴィーガンチーズ。


また、英国では「ケンタッキー・フライドチキン」や「マクドナルド」などのファストフード店でも、ヴィーガン用の食品を販売しています。

写真:「マクドナルド」ヴィーガン用ハンバーガー。


スーパーマーケットで時々見かける「モンティ・ボージャングルズ」のヴィーガン用チョコレートは、通常のチョコレートと変わらない美味しさです。

写真:「モンティ・ボージャングルズ」のヴィーガン用チョコレート。


また、オンラインストアでもヴィーガン用の食品が多く販売されています。


写真左:誕生日プレゼントとして友人から届いたヴィーガンビスケット。

写真右:通常はバターをたっぷり使用して作ることが多いショートブレッド系のビスケットも、バター不使用のヴィーガン用がある。

写真:オンラインストアで購入した、ヴィーガン用のソーセージやハムなど。


レストランのメニューで、ヴィーガン用の料理には特別なマークをつけることがあります。また、最近はパブでもヴィーガン用のメニューを置いているところが多くなりました。


写真:レストランにもヴィーガン用のメニューがある。

写真:ロンドンにある、国立美術館のカフェで見かけたヴィーガンケーキ。食物アレルギーを持つ人たちに向けて、「ナッツ、大豆、グルテンが含まれている」という注意書きがある。



次回に続く…



次回は、ウィンザー城から北に25kmほどの場所にある「バーナムビーチズ・ホテル(Burnham Beeches Hotel)」のティールームを訪れ、「ヴィーガン・アフタヌーンティー」について取材した際の様子をお届けいたします。

お楽しみに!


※記事に掲載されたイベント情報や商品は、売り切れ・変更・終了する場合がございます。
※売り切れの節は、ご容赦ください。
※表示価格は、消費税を含んだ税込価格です。